(財)亜熱帯総合研究所
日本におけるミバエ類根絶事業関連研究妙録集

 

カルコオイルレッドを用いたイモゾウムシのマーキング2. 産卵数,寿命及び性成熟に対する色素の影響

□Author 杉山巳次;下地幸夫;小濱継雄
□Year 1998
□Journal Appl. Entomol. Zool.
□Volume 33
□Issue 3
□Pages 375-378
□Notes English

 カルコオイルレッド(Calco Oil Red N-1700)を添加した幼虫用人工飼料を用いてイモゾウムシを生体染色し,色素とその溶媒として用いたトウモロコシ油が産卵数,寿命及び性成熟に及ぼす影響を調べた。その結果,色素と溶媒が産卵数及び寿命に与える影響は見られなかった。しかし,雌の性成熟には溶媒の,雄の性成熟には色素と溶媒両方の影響が見られ,性成熟までの期間が延長された。性成熟までに要する期間が延長されたことは,不妊虫放飼法にとって有利には働かない。しかし,マーキングの容易さ,安定性及びマーク虫検出の容易さを考慮すると,この色素を用いたイモゾウムシのマーキング法は有用な方法であると考えられる。


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