(財)亜熱帯総合研究所
日本におけるミバエ類根絶事業関連研究妙録集

 

アリモドキゾウムシの新型性フェロモントラップの効果

□Author 杉山巳次;下地幸夫;小濱継雄
□Year 1996
□Journal Appl. Entomol. Zool.
□Volume 31
□Issue 4
□Pages 549-552
□Notes English

 アリモドキゾウムシのフェロモントラップを新たに考察・作製し,その捕獲効率を既成のトラップと比較した。実験は,サトウキビ畑とサツマイモ畑に囲まれた直線道路沿いに,2種のトラップを交互に100m間隔で設置して行った。4日毎に誘殺虫を回収し,その際2種のトラップの設置位置を相互に入れ替えた。誘引源としては,0.1mgの合成性フェロモンを吸着させたゴムセプタムを用いた。その結果,新しいトラップは合計3,678頭の雄を,既存のトラップは4,311頭の雄を誘殺した。これらの誘殺虫数にはトラップ間で有意な差は見られなかった。2種のトラップはまた,アリモドキゾウムシ以外の節足動物も捕獲した。そこで、その捕獲数を両トラップ間で比較した。新しいトラップは17頭,既存のトラップは286頭を捕獲し,明らかに既存のトラップの方が不必要な節足動物を多く捕獲することがわかった。


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