(財)亜熱帯総合研究所
日本におけるミバエ類根絶事業関連研究妙録集

 

イモゾウムシの簡易採卵法

□Author 下地幸夫;小濱継雄
□Year 1996
□Journal Appl. Entomol. Zool.
□Volume 31
□Issue 1
□Pages 37-42
□Notes English

 イモゾウムシの人工飼育法を確立するには,卵を簡単に得る必要があった。イモゾウムシのメスは飢餓に曝されると卵を産み落とす性質を持っている。そこで,アルミ製の網とプラスチック容器を使って簡易な採卵容器を作り,その性質を利用した採卵法を試みた。採卵容器にイモゾウムシの雌を入れて飢餓状態の中8日間採卵を試みた結果,1頭あたりの産卵数は1日目には0.2個と少なかったが,2日目には1.3個,3日目が1.5個,そして4日目が1.5個となった。しかし,5日目から0.4個と再び減り始め,8日目には0個となった。この産卵数の変化は,卵巣に成熟卵が発達しないことに由来した。以上の結果,この方法による採卵は2日目から4日目にかけて採卵するのが効率的と考えられた。


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