(財)亜熱帯総合研究所
日本におけるミバエ類根絶事業関連研究妙録集

 

大量増殖されたウリミバエの遺伝的虫質管理

□Author 宮竹貴久
□Year 2002
□Journal 岡山大学農学部学術報告
□Volume 91
□Issue
□Pages 61-69
□Notes Japanese

 ウリミバエ根絶後の大量増殖における虫質管理について,人為選択実験の結果に基づいて考察した。まずミバエ類の大量増殖における虫質管理の簡単な歴史について触れた。沖縄県で現在飼育されている大量増殖虫は,野生虫と比べて多くの形質が異なっている。そこで現在飼育されている大量増殖虫の特質を明らかにし,なぜそのような違いが生じたのかについて考えた。その結果,形質の変化には大量増殖方法による選択圧が大きく関与していると考えられた。そこで,大量増殖虫のいくつかの形質に対する人為選択実験の結果をレビューした。さらに,大量増殖虫の繁殖と寿命に関わる形質を人為的に操作することに成功した沖縄県の事例を紹介した。以上の結果をふまえて,ウリミバエ根絶後の大量増殖における虫質管理の方向性について考察した。


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