(財)亜熱帯総合研究所
日本におけるミバエ類根絶事業関連研究妙録集

 

アリモドキゾウムシの合成性フェロモンの野外条件下における誘引性

□Author 安田慶次;杉江元;R.R.HEATH
□Year 1992
□Journal 日本応用動物昆虫学会誌(応動昆)
□Volume 36
□Issue 2
□Pages 81-87
□Notes Japanese

 1) 日本に分布するアリモドキゾウムシCylas formicarius (FABRICIUS) に対する合成性フェロモン(Z)-3-dodecenyl (E)-2-butenoateの雄成虫に対して誘引性をもつことを確認した。
2) 幾何異性体(E)-3-dodecenyl (E)-2-butenoateの混入率が10%以下であれば誘引力に影響しないと考えられた。
3) 純度96%の合成性フェロモンのゴムセプタムへの含浸量は1mgが適当と判断された。その有効期間は1か月程度と考えられた。
4) フェロモントラップは,地上に置いた場合最も捕獲効率が高く,アリモドキゾウムシ雄成虫は歩行してトラップに到達することが観察されることから,地上に設置するのがよいと考えられた。
5) フェロモントラップは風下側の雄成虫をより多く誘引し,風上側とは顕著な差が認められた。
6) 捕獲虫数は日中は少なく,15時ごろより増加し,19時ごろをピークとしてその後しだいに減少し,夜明けとともに激減した。
7) トラップの型式は,ロート型,水盤型,粘着型が適していた。


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